中国の話

今年のバレンタインデーに国境地域研究センター(JCBS)主催のイブニングセミナーが開催されました。毎月1回日曜日夕方のリモートセミナー。コロナの時代ならではの習慣になろうとしています。今回は九州大学の益尾先生による「中国の海洋戦略」のお話でした。ハードで政治的な内容ではありましたが、大変興味深い内容でした。1時間余りのセミナーを聞いただけで素人の私に中国の外交戦略や国際関係の認識等がわかるはずもありませんし、知ったからと言って何ができるものでもありません。しかしながらツーリズムが平和産業とは言え”何も知らない平和ボケ”では済まないことを学ぶことができました。

コロナウイルスのような感染症だけでなく、戦争・動乱・テロそして外交問題などのイベントリスクに翻弄されるのがツーリズム、特に大衆観光です。コロナ禍前の2019年には約1,000万人の中国人が来日し、訪日旅行者の総消費額の約37%に当たる1兆8,000億円を日本にもたらしました。日本のみならず中国人旅行者への依存度は世界中で高まっており、平和産業であるツーリズムの主役は中国人と言えます。そしてその中国が自国の海警局の船舶による日本領海侵入を繰り返し、言論・メディアを統制しています。益尾先生によると「中国にとって国際法は強者のルールなので強くなれば作り変えられる」とのこと。ならばツーリズムの世界共通のルールも中国が作り変えてしまうのでしょうか?中国は近い将来5億人(2019年の約4倍)の海外旅行者を目標としています。その目標が達成した時、中国人訪日者数は4,000万人を超える計算になります。中国は最大のイベントリスクを内包した最大のマーケットである事を改めて学ぶことができました。

中国漁船拿捕事件の時は中国青島にいました。お客様には夜間外出を控えていただきました。
中国浙江省の西湖。世界遺産である湖の周りを地元の方方とウォーキングするイベント。日中関係悪化によりカービン銃を持った兵士たちに守られてウォーキングしたこともありました。

 

 

 

 

 

 

 

2021年2月17日